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リモートアクセスの“普通”といえば?
リモートアクセスというとかっこいいですが、社外から社内にアクセスさせる場合、一般的な方法は何でしょうか?タイトルにも含まれている「VPN」です。
機器を買ってくればすぐに構成できる。はやい、やすい。いうことありません。VPNのメリットをまとめると、下記のとおりです。
- 端末が “丸っと” 接続されるので、社内と完全に同じ。
- 接続させる “だけ” なので、設定もラク。
- 端末で IPSec で接続させればいいだけ。
(エージェントは基本的に不要、Windows/macOSのIPSec機能でOK)
VPNが狙われるのはなぜ?
このVPN、なぜ狙われやすいのでしょうか。
PCやスマホは、グローバルIPアドレスに対してアクセスします。つまり、グローバルIPアドレスを公開する必要があります。あたりまえですが、このグローバルIPアドレスの部分は、インターネットから見える、誰からでも見える状態になります。
インターネットから見える部分は、攻撃者から狙われやすいということになります。
結果として、定期的に警視庁が公開しているレポートによると、VPN機器からの侵入が63%と、ダントツ1位となっています。
怖いです。まじめなIT管理者は夜も眠れないのではないでしょうか。
アイデンティティ認識型プロキシ (IAP)
新型コロナウィルスのパンデミックの影響で、盛り上がった感もあるのですが、アイデンティティ認識型プロキシ (IAP) という製品カテゴリをご存知でしょうか。ZTNAと呼ばれることもあります。
IAPを利用すると、DMZ不要、社内に接続用サーバーを設置することで、リモートアクセスすることができます。
IAPのメリットをまとめると、下記のとおりです。
- 自分で管理すべき箇所で、重大なアップデート作業が不要
- 攻撃対策は、サービス側に任せられる
- インターネットトラフィックが社内を通らないので、輻輳が起こりづらい
IT管理者も夜眠れるようになるのではないでしょうか。
アイデンティティ認識型プロキシ (IAP) の製品例
IAPの製品例としては、Netskope Private Access、iboss Private Access、Absolute ZTNAなどが挙げられます。弊社では、グループとしてIAP製品をひととおり取り扱っていますので、ぜひご相談ください。
VPNをなくせない場合は?
IAPは万能ではありません。VPNをなくせない場合もあります。例えば、クラサバが多く、パフォーマンスがでない、IAPの内部サーバーで変換処理の結果、不具合がでる、といったことです。
この場合には、適切な設定、スピーディーなパッチ適用、定期的な脆弱性診断といったベーシックな対応が必要となります。定期的な診断の一つには、ランサムウェア態勢を評価するといったサービスを受けるのもひとつでしょう。
そのほか、自社内の機器ではなく、サービス型のVPNに切り替えるといった方法もあります。
ただ、やはりVPNを運用する心労は大きいものです。ぜひ心労を軽減するためにも、全体を見直しつつ、IAPにシフトしてください。
さいごに
今回はVPNにフォーカスし、VPNの運用を考えるわけではなく、なくしてしまおう、という極端な話をさせていただきました。
警視庁のレポートですと、ランサムウェア感染経路のダントツ1位はVPNですが、第2位はリモートデスクトップとなっています。最近では、SIM入りのPCでグローバルIPアドレスが公開され、しかもリモートデスクトップが許可されており、事故につながっているという事例もでてきています。意図せず公開、許可されていないか、一度設定を確認してください。
なお、冒頭でもお話しましたが、当コンテンツは2024年11月7日のウェビナーがもとになっています。ぜひウェビナーの録画もご覧ください。
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