ファイルレスマルウェアとは?特徴と対策方法を解説

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ファイルレスマルウェアとは、ディスク上にファイルを保存せずにメモリ上で動作するマルウェアのことを指します。従来のマルウェアとは異なり、ファイルとして存在しないため、アンチウイルスソフトによる検出が非常に難しいのが特徴です。このような特性から、企業や個人を問わず、大きな脅威とされており、対策の必要性が高まっています。

本稿では、ファイルレスマルウェアの基本的な仕組みやその危険性、一般的な感染経路について詳しく解説します。さらに、具体的な対策方法もご紹介し、どのようにしてこの脅威からデバイスやネットワークを守るべきかを考察します。

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ファイルレスマルウェアとは、ディスク上にファイルを保存せずにメモリ上で動作するマルウェアのことを指します。従来のマルウェアとは異なり、ファイルとして存在しないため、アンチウイルスソフトによる検出が非常に難しいのが特徴です。このような特性から、企業や個人を問わず、大きな脅威とされており、対策の必要性が高まっています。

本稿では、ファイルレスマルウェアの基本的な仕組みやその危険性、一般的な感染経路について詳しく解説します。さらに、具体的な対策方法もご紹介し、どのようにしてこの脅威からデバイスやネットワークを守るべきかを考察します。

ファイルレスマルウェアとは何か

ファイルレスマルウェアとは、通常のマルウェアとは異なり、コンピュータのディスクにファイルを保存しないタイプのマルウェアのことです。代わりに、メモリ上で動作し、ディスクに痕跡を残さないため、従来のアンチウイルスソフトウェアで検出することが非常に困難です。ファイルレスマルウェアは、システムの通常のプロセスを悪用し、PowerShellやWindowsの標準機能を利用する場合が多く、これにより、正当な操作と区別がつきにくくなります。

このため、企業や個人のセキュリティ意識を高め、専用のセキュリティ対策を講じることが重要です。特に、最新のセキュリティソリューションやエンドポイントセキュリティの導入が推奨されています。ファイルレスマルウェアの感染経路や攻撃手法を正しく理解することで、リスクを軽減し、適切な対策を講じることができるのです。

従来のマルウェアとの違い

従来のマルウェアはファイルをディスクに書き込み、そこから実行されるのが一般的です。しかし、ファイルレスマルウェアはファイルを保存せず、メモリ上で直接動作します。この違いにより、従来のアンチウイルスソフトウェアでは検出が困難となっています。

ファイルレスマルウェアの定義

ファイルレスマルウェアとは、ディスクにファイルを保存せずにメモリ上で動作するマルウェアのことを指します。通常のマルウェアはディスクにインストールされるため、ファイルシステムに痕跡を残します。しかし、ファイルレスマルウェアはメモリ内で動作するため、ディスク上に明確な痕跡を残しません。この特性により、従来のシグネチャベースのアンチウイルスソフトウェアでは検出が困難です。また、ファイルレスマルウェアは正規のシステムツールやスクリプト言語(例:PowerShell)を悪用することが多く、管理者権限を持つプロセスに潜伏することができるため、より一層発見が難しくなっています。このような特徴により、ファイルレスマルウェアは非常に高度で検出しにくい脅威となっているのです。

ファイルレスマルウェアの危険性

ファイルレスマルウェアの危険性はいくつかの要因から成り立っています。まず、前述の通りディスク上に痕跡を残さないため、一般的なアンチウイルスソフトウェアでは検出が困難です。次に、正規のシステムツールを使用して悪用されることが多いため、通常のシステム運用と区別がつきにくいことが挙げられます。そのため、発見までに時間がかかる可能性が高いのです。また、ファイルレスマルウェアは感染が発見されにくいために、長期間システムに潜伏し続けることがあり、情報漏洩やシステムの利用停止など、深刻な被害を引き起こすことがあります。加えて、ネットワーク全体に迅速に拡散し、他のデバイスやネットワークセグメントにも感染する可能性が高いです。これにより、企業や個人のデータが大量に流出するリスクが高まります。こうした理由から、ファイルレスマルウェアは特に高度な対策が必要な脅威として認識されています。

ファイルレスマルウェアの感染経路

ファイルレスマルウェアは、メールの添付ファイルや不正なWebサイト、不正広告などを通じて感染します。これらの手法により、ユーザーの注意を引いて攻撃を成功させるのです。

メールの添付ファイル

ファイルレスマルウェアは、よく見かける手法の一つとして、メールの添付ファイルを通じて感染を試みます。攻撃者は通常、信頼できる送り主を装って偽のメールを送信し、添付ファイルを開くよう勧誘します。添付ファイルには、悪意のあるスクリプトやリンクが埋め込まれており、開封した瞬間にマルウェアがメモリ上で実行されるのです。特に標的型フィッシングメールでは、企業のロゴや役職の名前を使用しているため、受信者が疑うことなく開封してしまう場合があります。このような手法により、攻撃者は迅速かつ効果的に情報を盗み出すことができるのです。

不正なWebサイト

不正なWebサイトも、ファイルレスマルウェアの感染経路の一つです。攻撃者は、合法的に見せかけたWebサイトやハッキングされた正規のWebサイトに悪意のあるスクリプトを埋め込みます。訪問者がWebサイトを閲覧すると、自動的にスクリプトが実行され、マルウェアがメモリ上で活動を開始します。ユーザーは特別な操作を行わなくても、単にWebサイトを閲覧しただけで感染する可能性があります。こうした攻撃は「ドライブバイダウンロード」と呼ばれ、一見安全そうなWebサイトからも危険が潜んでいるという点で非常に厄介です。

不正な広告

不正な広告、いわゆる「マルバタイジング」は、ファイルレスマルウェアの感染経路として広く利用されています。攻撃者は、合法的な広告ネットワークを介して悪意のある広告を配信します。これらの広告は一見すると無害に見えますが、実際にはユーザーがクリックした瞬間に悪意のあるスクリプトがメモリ上で実行されます。

ファイルレスマルウェアの攻撃手法

ファイルレスマルウェアの攻撃手法には、さまざまな方法があります。これらの手法は、従来のファイルベースのマルウェアとは異なり、主にメモリ上で実行され、検出が困難です。代表的な手法としては、PowerShellの利用、Windowsレジストリの操作、難読化されたスクリプトの使用があります。

PowerShellを利用した攻撃

PowerShellは、Windows環境での管理タスクを自動化するための強力なスクリプト言語です。攻撃者は、この正規のツールを悪用して、ファイルレスマルウェアを実行します。具体的には、悪意のあるPowerShellスクリプトを利用して、システム内で権限を昇格させたり、別の悪意のあるコードをダウンロードして実行したりします。

また、PowerShellはメモリ内で実行されるため、ディスクには痕跡を残さない特徴があります。これにより、従来のアンチウイルスソフトでは検出が困難です。さらに、Windowsの自動化ツールとして標準的に使用されるため、管理者が気づきにくい点も狙い目です。防御策としては、PowerShellのスクリプト実行ポリシーを制限することや、システムのログを監視して異常なPowerShellの使用を早期に検出することが有効です。

Windowsレジストリを操作する攻撃

Windowsレジストリは、オペレーティングシステムやアプリケーションの設定情報を保存するデータベースです。ファイルレスマルウェアは、レジストリを操作して永続化することができます。具体的には、スタートアッププログラムとしてレジストリに悪意のあるスクリプトを登録することで、システム起動時に自動的に実行されます。

例えば、攻撃者は、レジストリキーにスクリプトを埋め込み、そのスクリプトをメモリ上で実行させることにより、ディスクに痕跡を残さずに攻撃を続けることができます。この手法は、レジストリの変更が標準のシステム動作と見分けにくいことから、検出が非常に難しいです。防御策としては、レジストリの変更をリアルタイムで監視し、異常な動作を検知するセキュリティソフトを利用することが挙げられます。

難読化されたスクリプトを利用

難読化とは、意図的にプログラムコードを複雑化し、解析や逆コンパイルを困難にする技術です。攻撃者は、難読化されたスクリプトを使用して、ファイルレスマルウェアを実行します。これにより、セキュリティソフトウェアや分析者がスクリプトの挙動を理解することが難しくなります。

具体的には、JavaScriptやVBScriptなどのスクリプト言語を難読化し、悪意のあるコードを挿入する方法があります。これらのスクリプトは、攻撃対象のシステムで実行されると、メモリ上で複雑な動作を行い、最終的には攻撃者の目的を果たします。防御策としては、電子メールやWebブラウザのセキュリティ設定を厳格にし、不審なスクリプトの実行をブロックすることが重要です。また、EDR(Endpoint Detection and Response)ソリューションを導入することで、異常なスクリプトの動作をリアルタイムで検出し、迅速な対応が可能になります。

ファイルレスマルウェアの被害

ファイルレスマルウェアによる被害は多岐に渡ります。個人情報の漏洩や新たなマルウェア感染、さらには遠隔操作による悪用などがあります。

個人情報の漏洩

ファイルレスマルウェアによる攻撃の中でも、個人情報の漏洩は深刻な被害の一つです。攻撃者は、メモリ上で動作するマルウェアを使って、ログイン情報や銀行口座のデータ、住所などの個人情報を盗み出します。これにより、被害者は経済的な損失や身元盗用などのリスクに晒されます。

個人情報が漏洩すると、その情報がダークウェブで売買され、二次被害が発生することもあります。これにより、被害者は収集されたデータを基にフィッシング詐欺やさらなるサイバー攻撃を受ける危険性があります。このようなリスクを低減するためには、エンドポイントセキュリティの強化や定期的なパスワードの変更が必要です。

新たなマルウェア感染

ファイルレスマルウェアは、他のマルウェアをダウンロードしたり、インストールしたりするための足がかりとして利用されることがあります。この手法を利用すると、新たなマルウェアがシステムに侵入し、さらなる被害を引き起こす可能性があります。

例えば、ファイルレスマルウェアが一度システムに侵入すると、バックドアを設置し、攻撃者が再びアクセスできるようになります。その後、攻撃者は追加のマルウェアを遠隔でインストールし、データの盗難やシステムの破壊を行うことができます。このような連鎖的な攻撃により、企業や個人は深刻な被害を受けることとなります。

さらに、マルウェアが増殖する過程で、ファイルレスマルウェアは他のデバイスやネットワークへの感染を広げる役割も果たします。このような二次感染により、多くのデバイスが同時に被害を受けることがあり、大規模なシステム障害を引き起こす危険性があります。このような被害を防ぐためには、不審なメールの開封を控える、未知のソフトウェアをインストールしないなどの基本的なセキュリティ対策が不可欠です。

遠隔操作による悪用

ファイルレスマルウェアの被害として、遠隔操作による悪用は非常に深刻な問題です。攻撃者はこのマルウェアを使用して、被害者のデバイスをリモートで制御し、不正な操作を行います。これにより、被害者のデバイスを使ってさらなる攻撃を仕掛けたり、重要なデータを盗み出したりすることが可能になります。

例えば、攻撃者がファイルレスマルウェアを使って企業のシステムに侵入した場合、内部ネットワークを探索して機密情報を取得することができます。さらに、このマルウェアを利用して他のデバイスにも感染を広げ、広範なネットワーク攻撃を実行することも可能です。このように、被害範囲が広がることで、企業全体のセキュリティが脅かされます。

また、遠隔操作により、被害者のデバイスをゾンビコンピュータとしてボットネットに組み込む場合もあります。このような悪用により、大規模なDDoS攻撃が行われることがあります。これにより、特定のサービスが一時的に利用できなくなり、経済的な損失や信用の低下を引き起こすこととなります。こうした被害を防ぐためには、ネットワークの監視を強化し、不審な通信を早期に検出することが重要です。

ファイルレスマルウェア対策の重要性

ファイルレスマルウェア対策を強化するために、総合的なセキュリティソリューションが非常に重要です。現代の企業や個人は、包括的な防御策を講じることで、マルウェアからの脅威に対して効果的に守ることができます。

EDRだけでなく、ITDRも必要

EDR(Endpoint Detection and Response)は、エンドポイント(PC、サーバーなど)における不審な挙動を検知し、マルウェア感染や不正アクセスなどの脅威に対処する強力なツールです。しかし、現代のサイバー攻撃は高度化・巧妙化しており、EDRだけでは防ぎきれない脅威が存在します。そこで、ITDR(Identity Threat Detection and Response)が重要になります。

EDRはエンドポイントの挙動を監視しますが、IDや認証情報を悪用した攻撃(ラテラルムーブメント、特権IDの悪用など)の検知は苦手です。攻撃者は、正規のIDを盗み、システム内を自由に移動し、重要な情報にアクセスする可能性があります。

パスワードの漏洩やフィッシング攻撃などにより、認証情報が攻撃者の手に渡るケースが増加しています。EDRは、これらの認証情報を悪用した不正アクセスを検知することは困難です。

ITDRは、多要素認証(MFA)の強化や認証情報の監視により、不正なアクセスや特権IDの悪用を検知することで、これらの攻撃を効果的に防御します。

EDRはエンドポイントの脅威に対処する重要なツールですが、IDベースの攻撃や認証情報の脆弱性には対応できません。ITDRは、これらの脅威に対処し、ゼロトラストセキュリティを実現するために不可欠な存在です。

丸紅情報システムズが提供するITDRソリューション「Silverfort」はAIを活用してADアカウントの使用状況を分析し、セキュリティリスクを低減します。ユーザーアカウントだけでなく、サービスアカウントについても、異常な振る舞いを検知し、必要な場合には保護を実施することができます。また多要素認証を自社機能で実現でき、既存の認証フローを変更せずに簡単に導入できる点が特徴です。

EDRとITDRを組み合わせることで、企業はより強固なセキュリティ体制を築き、ファイルレスマルウェアからの脅威に対抗することができます。

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