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ジュピターショップチャンネル株式会社様

1日あたり問い合わせ・注文の電話が7万件、ピーク時の過去最大は36万件。24時間365日、「止まらないネットワーク」がテレビ通販「ショップチャンネル」を支える。

デジタル社会が進展する中、ビジネスや社会を支えるネットワークの重要性は高まるばかりだ。テレビ通販業界最大手のジュピターショップチャンネルは、社屋の移転に伴い、「止まらないネットワーク」の実現を目的として、新社屋にネットワーク仮想化ソリューション「Extreme Fabric Connect」を導入した。同社が運営する「ショップチャンネル」は、24時間365日放送を提供するのが特徴だ。1日あたり7万件、ピーク時の過去最大は36万件の問い合わせ・注文電話が寄せられる中、ネットワーク障害による業務停止の影響は計り知れない。ネットワーク仮想化により、障害発生時やメンテナンスの際に最適な経路を自動選択することで「止まらないネットワーク」を実現。2021年2月から開始した4K生放送でも顧客満足度の向上に、大きな安心をもたらしている。

  • 24時間365日放送の「ショップチャンネル」を支える「止まらないネットワーク」を実現したい
  • ネットワークの専門知識がなくても、必要に応じてネットワークの設計を行いたい
  • 初めて取り組むネットワーク仮想化技術に対する懸念を払拭したい

24時間365日放送のテレビ通販事業を支える「止まらないネットワーク」を目指す

1996年に、日本初のテレビショッピング専門チャンネルという新たなビジネスモデルを確立したジュピターショップチャンネル。同社が運営する「ショップチャンネル」は、日本の世帯数の半数以上となる全国3017万世帯で、幅広いメディアを通じて24時間放送の視聴が可能だ※。専属バイヤーによる選びぬかれた「商品力」、ライブ感あふれる生放送を活かした「番組力」、買付から配送、アフターフォローまで一貫して管理する「オペレーション力」の3つの“力”の融合が大きな強みとなっている。 同社は、創業11年目の2007年度に売上1,000億円を突破、2019年度には売上1,634億円に達した。コロナ禍においても新規・リピートともに顧客数は増加し、好調を維持している。また、テレビ放送を中心にWeb、モバイル、カタログ販売、実店舗など、様々なシーンで顧客接点をつくるショップチャンネルのオムニチャネル化にも積極的だ。

2021年4月に開局25周年を迎えた同社は、これまで分散していたオフィスを1つに集約し柔軟な働き方に応えるオフィス棟と、4K放送設備完備のスタジオ棟からなる新社屋に移転し、さらなる飛躍に向けて新たなスタートを切った。新社屋移転をきっかけに、同社の根幹を支えるネットワークも刷新。その理由について、IT本部 テクノロジー&サービス部長池辺晋一郎氏はこう話す。「注文・問い合わせの電話件数が約7万件/日、過去最大は36万件/日あり、約5万箱/日の商品配送、約500アイテム/週の商品紹介など、ショップチャンネルの事業規模は大きいため、ネットワーク障害による業務停止の影響は計り知れません。また、システム連携により、スタジオの現場で注文状況やお問い合わせ内容をリアルタイムに把握し、臨機応変に切り口を変えて番組を進行しています。お客様の心を掴む番組づくりにもネットワークは不可欠です」

新社屋移転の2年前、同社IT本部が重点テーマと位置付けたネットワーク刷新プロジェクトをスタート。目指したのは、「止まらないネットワーク」の実現だった。

※視聴可能世帯数は、配信世帯数を開示しているメディアの数値から算出(2021年3月末時点)

「止まらないネットワーク」の実現に向けてネットワーク仮想化技術に着目

同社における既存ネットワークの課題について、「急成長に伴う拠点の増設でネットワーク環境が複雑化しました」と同社 IT本部 システム企画・管理部 情報セキュリティグループ長 谷口貴俊氏は話す。「障害ポイントの増加に伴うリスク拡大が重要な経営課題になっていました。また24時間365日放送を行うため、メンテナンスや拡張のためのスケジュールを組むのが難しい上に、運用の複雑化がさらに対応を困難にしました。」可用性と運用性の両面の課題を解決するために、いかに“止まらないネットワーク”を実現するか。その手段として着目したのが、Extreme NetworksのFabric Connectソリューションだった。

従来のネットワークは、ネットワークの変更、拡張をする場合、様々なプロトコルを意識する必要があり、メンテナンスをするためだけにネットワークを止めるケースも生じていた。「Extreme Fabric Connect」が採用するSPBプロトコルであれば、複数のスイッチを仮想化(ファブリック)することで、スイッチの停止や経路切断があったとしても、別の経路で通信が可能なため、ネットワークを止めずにメンテナンスを実現することが可能だ。

新ネットワークの選択は、既存と同様の技術を使ったネットワーク構成と、SPBを採用した「Extreme Fabric Connect」の二択で行われた。「既存の延長線では、“止まらないネットワーク”は実現できず、従来の課題は解決できない」という強い思いがあったと池辺氏は明かす。ただ、同社のビジネスの根幹を担うネットワークになるため、新しい技術に挑戦することへの不安があったという。そうした不安や懸念を払拭したのが、「Extreme Fabric Connect」による提案を行ったMSYSのサポートだった。

「MSYSは、SPBに関して事例も含めてわかりやすく説明してくれました。革新的だと思ったのが、物理的なネットワークを論理的に容易に切り分けることができるということです」と谷口氏は話し、こう続ける。「用途別に仮想ネットワークをつくる発想で、複雑なトポロジー(ネットワーク構成)などネットワークの専門知識がなくても設計することができます。重要なことは、SPBの考え方を理解することです。MSYSに丁寧にレクチャーしてもらいました」

■A棟とB棟はそれぞれ独立したEthernet Fabricを形成。
■10Gリングネットワークとする事で、広帯域・冗長構成を備え、かつシンプルなネットワーク構成。

SPB以外にも、ネットワーク仮想化技術は存在する。同社が重視したのは、SPBがExtreme社と主要なネットワークベンダーが中心となり標準化された仕組み(IEEE802.1aq、IETF RFC6329)であるという点だ。「独自プロトコルは、ベンダーロックインを招く可能性があり、将来の選択肢を狭めるリスクを伴います」(池辺氏)

また今回は、柔軟な働き方を実現するべくオフィス棟に導入する無線LANの採用もポイントとなった。「社内でノートPCを自由に持ち運んで利用できる環境を実現するため、場所が変わっても切れない安定性と、パフォーマンスが維持できる快適性を重視し、無線LANソリューションとして『ExtremeWIreless WiNG』を選定しました」

2020年2月、同社は「Extreme Fabric Connect」と「ExtremeWIreless WiNG」の構築パートナーとしてMSYSの採用を決定した。「ネットワークは短期間で変更するものではないことから、今後当社を支えるネットワークとしてMSYSによる『Extreme Fabric Connect』の提案を採用しました。当社が“やりたいこと”や課題解決を実現できることに加え、コストも含めて総合的に判断しました」(池辺氏)

コロナ禍中もWeb会議で密に連携
ネットワーク仮想化で設計変更にも柔軟に対応

2020年4月から同年8月の新社屋着工までに要件定義や基本設計・詳細設計を実施。2021年2月から始まる4K放送の試験運用に対応するために、スタジオ棟のネットワークを10月に使えるようにし、オフィス棟のネットワークを11月末に開通。2020年12月から順次各部門がオフィス棟に移転した。コロナ禍においてもWeb会議で綿密に打ち合わせを行ったという。「当社とMSYS、そして、プライムベンダのユニアデックスの3社でワンチームとなって、厳しいスケジュールの中でプロジェクトを着実に進めました。ネットワークの導入が遅れると、工事や機器設置など全体工程に影響が出てしまうためです」(谷口氏)

実際に工事を行うと、図面と異なる箇所も出てくる。「この配線は通せないという箇所が複数あったため、ネットワーク設計を変更しました。単一障害点はつくらず二重化以上という要件を満たした上で、MSYSとユニアデックスに経路の見直しを含めて柔軟に対応してもらいました。従来のプロトコルでは、こうした変更に関して柔軟な対応はできなかったと思います」(谷口氏)

また、SPBにより機器設置後にネットワークセグメントを容易に追加できたメリットは大きいと谷口氏は付け加える。「従来なら、もう一度すべて組み直す必要がありました。「Extreme Fabric Connect」は、ネットワーク経路上のスイッチすべてを設定変更する必要はなく、自動的に最適な経路と冗長性を確保します」

仕事の内容に合わせたセキュリティ強化へ
ネットワークセグメンテーションを容易に実現

2020年8月から「Extreme Fabric Connect」導入を開始して以来、同社を支える新ネットワークは安定稼働を続けている。「従来のネットワーク構成と比べて、ネットワーク機器も大幅に削減し、コストの削減と障害ポイントの最小化が図れました。また、SPBによりネットワーク障害の発生時やネットワーク機器のメンテナンスの際も、自動的に最適な経路が選択されるためネットワークが止まることはありません」(谷口氏)

同社は、新社屋での実績とノウハウを踏まえ、新物流センターにも「Extreme Fabric Connect」を導入。その狙いについて、池辺氏はこう話す。「将来的に、本社・スタジオ・物流センター・コールセンターを、WAN(広域通信網)を超えて仮想ネットワーク化とすることで、全社の観点で“止まらないネットワーク”を実現できます」

また、ネットワークのセグメンテーション(区画分け)を、論理的に細かく行うマイクロセグメンテーションによるセキュリティ強化も視野に入れていると谷口氏は話す。「今までのネットワークセグメンテーションは、フロア単位で行うといった発想でしたが、『Extreme Fabric Connect』は役割や仕事の内容に合わせてセグメンテーションすることが可能です。例えば、重要な情報を扱うユーザーの端末をセグメント化し、より厳重に管理することもできます。また、WAN超えのSPBを実現することで、本社の業務と同じセグメントに物流センターの端末を設定できます」

今後について池辺氏は「Extreme Fabric Connectのポテンシャルを最大限に活かし、ネットワークを進化させていきます」と話し、こう続ける。「MSYSは当社の要望に対して課題の本質を理解した上で解決策を提案してくれました。これからもサポートはもとより、当社の立場に立った先進的な提案を期待しています」と話す。

「お客様に心躍る瞬間を提供し、感動と喜びに満ちた毎日をショップチャンネルと共に歩んでいただくこと」という経営理念のもと、24時間365日ショッピングエンターテインメントを届けるジュピターショップチャンネル。MSYSは、これからも先進的な提案やサポートを通じて、同社の「止まらないサービス」を支援していく。

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