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学校法人片柳学園様

キャンパスを超える業務システム仮想基盤をHCIのパイオニア「Nutanix」で刷新。シンプルな構成で運用の継続性を向上1大学・3専門学校の先進教育に貢献。

1大学・3専門学校の強力なネットワークを有する片柳学園。IT導入にも積極的な同学園は、教育環境整備とともに、業務のDX(デジタルトランスフォーメション)に取り組んでいる。キャンパスを超える業務システム仮想基盤のリプレイスにおいて、限られた人材リソースを有効活用するべく、「誰もが運用を引き継げる仮想基盤」を目指し、HCI「Nutanix」を導入。MSYSの技術支援のもと、検証済みのHCIのメリットに加え、Nutanix独自移行ツールを利用し、わずか3カ月間の短期間構築で本稼働を開始した。ストレージ不要などシンプルな構成により運用の継続性を向上。科学、芸術、メディアの人材育成に力を注ぐ同学園の先進教育を、業務の側面から支える。

  • 誰もが引き継げるように、運用をシンプル化したい
  • サポート終了期限が迫る中、短期間構築を実現したい
  • 自分たちで運用を行うために技術支援を受けたい

01[導入の背景]
人材有効活用へ、誰もが運用を引き継げる
業務システム仮想基盤の構築を目指す

1947年、戦後まもなく大田区蒲田に設立された「創美学園」を起源とする片柳学園。「現代社会の変化に即応し、広く社会に貢献しうる人材を育成する」という教育理念のもと多くの優れた人材を輩出してきた。現在は、工学部、コンピュータサイエンス学部、メディア学部などを有する東京工科大学、クリエイティブ分野からスポーツ分野まで6カレッジ34学科103の専門分野を設置する日本工学院専門学校など、約2万人が学ぶ1大学・3専門学校に加え、産官学共同の研究機関である片柳研究所を擁する。大学と専門学校が一体となった強力なネットワークは、片柳学園の強みだ。

「実学教育」をモットーとする片柳学園は、「理想的教育は理想的環境にあり」との創業以来大切にしてきた考えから、八王子、蒲田、北海道の各キャンパスにおいて教育環境と教育設備の整備に力を注ぐ。その一環として、大学はもとより専門学校のWi-Fi化、学修成果の可視化システム構築など、学生一人ひとりの可能性を広げる、IT教育基盤の継続的な強化に取り組む。また、先進教育を支える学内業務のDXにも積極的だ。従来、紙や人手による作業が中心だった様々な業務のデジタル化、ワークフロー化によりペーパーレス化を推進している。

片柳学園における大学と専門学校の業務を担う、業務システム仮想基盤のリプレイスでは、運用のシンプル化がテーマとなった。その理由について、片柳学園 法人本部ネットワークセンター 八王子キャンパスネットワークセンター 課長 金野雅章氏は話す。

「法人本部ネットワークセンターは、キャンパスの垣根を超えた業務ネットワークと、専門学校の教育ネットワークの運用管理に携わっています。既存のVMwareを活用した業務システム仮想基盤は、導入から運用管理までベンダーに任せていました。また、当センターがHyper-Vを使って仮想基盤を構築し運用している別のシステムもあります。今後の仮想基盤のあるべき姿を考えたとき、コスト削減や変化への対応などの観点から、当センターによる運用管理は重要な要素です。次期業務システム仮想基盤では、限られた人的リソースの中、運用のシンプル化により誰もが運用を引き継げる“かたち”を目指しました」

2019年度に、次期業務システム仮想基盤の構築に向けて方針・計画を立て、情報収集を開始。金野氏が関心を寄せたのが、HCI(ハイパーコンバージドインフラストラクチャ)だ。

02[採用のポイント]
HCIのパイオニアとしての実績と技術を評価
HPサーバが利用できることが決め手に

既存の業務システム仮想基盤を導入する際、HCIも選択肢の1つになったという。「当時は、まだHCIの国内導入実績が少なく、価格と安心感の面から見送りました」と金野氏は話し、こう続ける。「2019年にハードウェアベンダーのHP、HCIを牽引するNutanix社、HCIの構築支援を行うMSYSの3社によるHCIセミナーに参加し、今回はHCIも次期仮想基盤の候補になると確信しました」

HCIは、サーバ、ストレージ、SANスイッチを活用する従来の3Tier(3層構成)に対し、複数サーバ筐体内のディスクを分散ファイルシステム技術で1つのストレージプールを生成し、ストレージとSANスイッチを排除したシンプルな構成を実現。HCIのメリットについて片柳学園 法人本部ネットワークセンター 係長 齊藤克英氏は話す。「専門知識を必要とするストレージの運用管理が不要となることで、仮想基盤の運用管理を大幅に軽減できます。また、構成のシンプル化により障害箇所を最小化し信頼性の向上が図れます」

既存仮想基盤のサポート保守期限切れが迫っていたため、短期間構築もHCI導入のポイントになったと齊藤氏は付け加える。「3Tierの仮想化基盤ではハードとソフトの調達、ITインフラの設計・構築・テストなどが必要となるため、構築に多くの時間を要します。統合製品のHCIは、検証済みの製品が納入されるため短期間構築を実現できます」

HCIでは、ストレージ設計・構築などが不要、短期間構築はもとよりシンプルな運用を実現できる

HCIの中でもNutanixに注目した理由について、金野氏は言及する。「NutanixはHCIのパイオニアであり、技術、実績は申し分ありません。本学園の導入において特に重視したのが、サーバの豊富な選択肢です。本学園で運用経験があり、信頼を寄せるHPサーバをNutanixで使える点は、大きな安心感に繋がりました。またセミナーに参加した際、私からの様々な質問に対し、MSYSが高い技術力と知見のもと的確に応えてくれたこともNutanix採用を前向きに捉えるきっかけとなりました」

2020年度に、同学園はRFP(提案依頼書)を提示。総合的観点で評価し、複数社からHPサーバを利用したNutanixを提案したMSYSの採用を決めた。

03[導入のプロセス]
作り込みが大変なプリントサーバは
移行ツールで仮想マシンそのものを移行

2020年7月に、Nutanixをベースとする次期業務システム仮想基盤の構築プロジェクトがスタート。片柳学園にNutanix納品後、AD(アクティブディレクトリ)、NPS(ネットワークポリシーサーバ)、MAC認証サーバ、資産管理ツールなど既存VMware仮想基盤で動いていたサービス(機能)を、独自ハイパーバイザーNutanix AHVへ移行した。

移行のポイントについて齊藤氏は話す。「古いADから新しいADに乗り換えるなどの目標もあったことから、基本的にはNutanix上に新たな仮想マシンを作成し、VMwareからサービスを移行しました。しかしプリントサーバは、ドライバーの入れ替えが必要になるなど作り込みが大変。新しいOSではドライバーが適用しない可能性もあります。MSYSから、無償提供の移行ツールNutanix Moveを利用することで、VMwareで動いている仮想マシンそのものをNutanix AHV環境上に移すことができると教えてもらいました」

Nutanix Moveによる移行は非常に簡単だったと齊藤氏は振り返る。「Nutanix MoveのGUI画面上でクリック操作により移行元の仮想マシンを選択し、移行先を指定するだけ。重要なポイントは、サービスが止まることなく移行できるという点です。一応、プリンターの利用者が少ない時間帯に移行したのですが、ユーザは気づかなかったと思います。プリンターサーバの仮想マシン2台の移行に要した時間は、それぞれ2時間弱。最初、Nutanix Moveが上手く動かなかったので、MSYSに問い合わせたところ、すぐに“ここのドキュメントを見ればわかりますよ”との的確なアドバイスを受け、問題なく移行できました」

ストレージで提供していたファイルサーバのサービスのNutanixへの移行もポイントになったという。「フォルダ・ファイルをコピーするツールWindowsのrobocopyを使って、既存ファイルサーバのデータをNutanixに移しました」(齊藤氏)

プロジェクトのキックオフから3カ月後の2020年10月に、Nutanixをベースとする次期業務システム仮想基盤は本稼働を開始、現在まで安定稼働を続けている。

04[導入の効果と今後の展望]
MSYSとの定例会は報告ベースから
Nutanixに関する技術的勉強会へシフト

Nutanix導入により、ネットワークセンターが求めていた「誰もが運用を引き継げる仮想基盤」を構築できたと金野氏は話す。「仮想マシンの作成はもとより移行も簡単です。サービスを止めることなく、Nutanix AHVのアップデートや、サーバノードの抜き差しによる容易な拡張が可能です。運用をシンプル化することで属人性を排除し、運用の継続性向上が図れました。また、ソフトウェア(Nutanix)とハードウェア(HP)の1次窓口としての役割をMSYSが担っており、不具合への迅速な対応を実現しています」

運用管理コンソールの使いやすさについて齊藤氏は「日本語にローカライズされており、非常にわかりやすい。ダッシュボードで、構成情報、性能、健全性、アラート情報などハードウェアを一元管理できます。どこでどんなエラーが起きているのか、誰でも一目瞭然です」と強調し、こう続ける。「緊急事態にも対応しやすくなりました。2022年3月に東京蒲田エリアで大規模停電が発生した際、リモートで自宅からWebインターフェースで業務システム仮想基盤をシャットダウンし、問題が回避された時点でサービスを立ち上げました」

運用管理コンソールの画面で構成情報、パフォーマンス情報、健全性などが確認できる。

コスト面の導入効果について齊藤氏は付け加える。「ベンダーに依頼していた運用管理を当センターで対応可能になったこと、仮想化ソフトウェアがVMwareからOS標準機能として無償提供されるNutanix AHVに切り替わったことなどで大幅なコスト削減を実現。また、必要な時に必要なリソースを追加できるため、投資の平準化も図れます」

外部協力会社との関係性も変わったと金野氏は指摘する。「従来は『こうしたいのでお願いします』とベンダーに依頼していました。今は、MSYSに『こういうことがしたい』と話すと、いろいろな情報や的確なアドバイスの提供を受けることができる。MSYSは、まさに技術と信頼に基づくパートナーです」

今後の展開について金野氏は話す。「今回の成果を踏まえ、八王子キャンパスの教育系システム仮想基盤にNutanixの導入を検討中です。当学園の業務や教育を支える仮想基盤は、今後も進化します。MSYSとの定例会も、報告ベースからNutanixに関する技術的勉強会へとシフト。次のステップに向け、MSYSにはこれまでと変わらず良きパートナーとしてアドバイスや提案をお願いします」

科学、芸術、デジタルコンテンツの各分野で優れた人材の育成に取り組む片柳学園。MSYSは、これからもNutanixの提供を通じて同学園のDX推進、先進教育を支援していく。

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