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株式会社ディーエイチシー様

AI-OCR、RPA、文書管理システムを組み合わせ電子化・自動化により請求書処理業務のプロセスを変革

通販事業と化粧品や健康食品などの革新的商品で躍進するDHC。同社の成長を支える生産管理部は、請求書処理業務のシステム化を実現するために、丸紅情報システムズによる電子文書保管ソリューションを導入。採用の理由は、DX Suite(AI-OCR)、WinActor(RPA)、楽々Document Plus(文書管理システム)といった個々の製品の優れた機能とともに、1つのシステムとして構築する丸紅情報システムズの技術力とサポート力が高く評価されたからだ。生産管理部は、紙の請求書から脱却し、電子化・自動化により業務の効率化と管理レベルの向上の両方を実現。多くの手間を削減できたことで、本来業務に集中する時間も創出できた。

  • OCRによる請求書の読み取りにおいて高い精度を実現したい
  • OCR結果データの中で不整合のものだけを確認したい
  • 請求書の電子保管に向けて電子帳簿保存法に対応したい

DHCの成長を支える生産管理部
少数精鋭で業務を行うためにIT活用は欠かせない

1980年、化学合成成分でつくられた化粧品が全盛の時代に、天然成分100%の美容オイルを世に送り出したDHC。既成の考え方にとらわれることなく、自然治癒力と肌への融合性に着目した「DHCオリーブバージンオイル」は、40年以上にわたるロングセラー商品だ。また、健康食品分野でも業界の常識を覆す高いコンテンツと低価格への挑戦を続け、健康食品メーカーシェアNo.1※1を獲得。DHC製品に対する消費者の高い支持は、通信販売会員数が1,538万人を突破※2したことからも窺える。さらに通信販売だけでなく、全国のDHC製品取扱店舗数は72,708店舗以上※3に及ぶ。

「DHCを知り尽くすのは、DHC」というポリシーのもと、ほぼすべての業務を自社スタッフで行っているのが、同社の強みとなっている。化粧品や健康食品以外にも、医薬品、食品、アパレル、翻訳・通訳、教育、介護、遺伝子などDHCの事業領域の幅は広く、グローバル展開にも積極的だ。

革新的な発想と品質を極めた商品群で成長を続けるDHC。同社の事業を支えているのが生産管理部である。その役割について、生産管理部/さいたま岩槻工場改善部 部長 箱田智一氏は話す。「生産管理部の主要業務は、通信販売の需要予測と、すべての事業の生産計画です。また、資材や原料などの仕入れ、在庫管理、法令遵守の確認も行っており、業務量は膨大。それを少数精鋭で業務を遂行するためには、人海戦術を排除するITの活用が欠かせません。生産管理部には専任のSEが配置されており、エンドユーザの声を拾い上げ、生産系システムの改善に取り組んでいます」

2019年12月、DHCは生産管理のさらなる効率化を目的に「業務のシステム化」を掲げた。業務のシステム化では、自動化が重要なテーマになると箱田氏は強調する。「生産管理部では、既存システムのリプレースと業務の見直しの2つの観点で業務のシステム化に取り組んでいます。1つめの既存システムの観点では、人の手が介在する部分も多いことから、自動化により人の手を必要としない仕組みを目指し検討を進めています。2つめの業務の見直しの観点で急務だったのが、請求処理業務のシステム化でした」

※1 2021年6月1日現在

※2 富士経済「H・Bフーズマーケティング便覧 2021 No.2」

※3 2020年1月20日現在

取引先900社からの紙の請求書1,500件以上
請求書処理業務のシステム化が急務に

これまで生産管理部は、月末から月初にかけて取引先900社からの紙の請求書1,500件以上の対応に追われていたという。「取引先の請求書もほぼ紙ベースのため、当社への請求書の送付は郵便のみとしています」と生産管理部 管理課/さいたま岩槻工場改善部 係長 田中信幸氏は話し、従来の請求書処理業務のフローを説明する。

「各担当者は郵送されてきた請求書と、システム上の注文データとを見比べて確認した後、請求書とともに確認用紙を上長へ、部門長へと回し承認を受けていました。確認した証として確認用紙に押印する作業も大変でした。部門長の承認後に、財務部門で処理されるのですが、不備や不明点があった場合は、各担当者に連絡が入ります。しかし、その段階では手元に請求書がないため、請求書をコピーしておくなどの対策がとられていました」

請求書処理業務のシステム化では、請求書の電子保管が必要となるため、財務部門とのコンセンサスが必要となる。「紙の書類から電子化への流れを踏まえ、請求書処理業務のシステム化の意義と合わせて、検索機能を利用することで監査時に膨大な請求書の中から必要な請求書を見つけ出す手間から解放されるなど、財務部門のメリットも説明し理解を得ました」(箱田氏)

社内体制を整えた生産管理部は、請求書処理業務のシステム化を実現する電子文書保管ソリューションの構築に向けて複数のITベンダーに声をかけた。電子文書保管ソリューションは、文書管理システムをベースに、OCR(光学文字認識)やRPA(Robotic Process Automation)の組み合わせがポイントとなる。ベンダー選定は、早い段階で絞り込まれたという。

AI-OCR×RPA×文書管理システム、各製品の機能とともに
1つのシステムとして構築する技術力とサポート力を評価

「今回のシステムでは、紙の請求書の読み取り精度がすべての基本となります。低い精度の場合、人が確認し手入力する手間が多くなります。読み取り精度が群を抜いて高かったのが、丸紅情報システムズが提案したAI- OCR『DX Suite』でした」と箱田氏は話す。
AIにより高精度な文字認識を可能とするDX Suiteは、これまでOCRが苦手としてきた様々なパターンにも対応できる。他ベンダーの提案にもAI-OCRはあったが、DX Suiteとは完成度に差があったと、生産管理部の専任SEである田中氏は付け加える。「手書きの文字を認識する精度や、社名の上に社印が押印されていても社名を読み取ることが可能など、今回の取り組みはDX Suiteでしか実現できないだろうと思いました」

高い読み取り精度を誇るDX Suiteでも100%ではない。従来、OCRでは不整合のものを見つけ出すためのチェック作業に多くの手間を要していた。丸紅情報システムズは、RPAソリューション「WinActor」により、OCR結果データを基幹システムの情報と突合することで、全項目をチェックせずに確認項目を絞り込む仕組みを提案した。「丸紅情報システムズの提案は、生産管理部が進める自動化の観点にも合致していました。純国産RPAツールWinActorの実績や安定性については、すでに認識していました」(田中氏)

電子文書保管ソリューションのベースとなる文書管理システムでは、電子帳簿保存法への対応と検索性がポイントになったと田中氏は話す。「丸紅情報システムズから提案のあった文書管理システム『楽々Document Plus』は、PDFファイルへのタイムスタンプの付与など電子帳簿保存法への対応に加え、検索性にも優れており、実績も豊富で安心して利用できます。また、ワークフロー機能を使った電子承認により脱ハンコを簡単に進めることも可能です」

2020年11月、生産管理部は請求書処理業務のシステム化に向けて丸紅情報システムズの電子文書保管ソリューションの採用を決定。「個々の製品の優位性だけでなく、それらを組み合わせて1つのシステムとして構築する丸紅情報システムズの技術力とサポート力が採用のポイントとなりました」(箱田氏)

わずか3カ月という短期間構築を実現
電子化により請求書処理業務のプロセスを変革

2020年11月にキックオフし、2021年2月分の請求書から本番運用を開始。わずか3カ月という短期間構築を実現できた理由について田中氏は話す。「丸紅情報システムズのRPAに精通したエンジニアが当社の会議室に常駐することで、当社の開発環境を利用した開発はもとより打ち合わせもその場で行えたことが短期間構築に繋がったと考えています。また、丸紅情報システムズには、今回採用したパッケージ間の連携も、当社の立場に立って対応してもらい、スムーズに進行できました」

短期間構築ではあったが、念入りにテストも実施。新システムは、導入後半年を経過した今も全くトラブルなく安定稼働を続けている。請求書処理業務の電子化により、従来とは業務プロセスが大きく変わった。各担当者は請求書を取得した際に、システムの画面上で簡単な登録を行い、管理部門に請求書を回す。管理部門が請求書をPDF化すると、WinActor(RPA)がDX Suite(AI-OCR)で文字認識を行い、OCR結果データと楽々Document Plusに基幹システムから定期的にアップロードされる突合用ファイルを突合し、不整合が発生したものだけを人の目で確認する。「現在、目視で確認するのは数件です。DX Suiteの精度の高さには驚いています」(田中氏)

請求書処理業務の作業工数を3人月削減
DX推進の成功モデルとして横展開も視野に

導入効果について田中氏はこう話す。「請求書処理業務において、押印や回覧などの作業や確認の手間が大幅に軽減されるとともに、管理レベルが向上したことは大きな成果です。作業工数は月400時間以上削減できました。また財務部門からの問い合わせに対して、楽々Document Plusで検索することで迅速な対応を実現し、紙の請求書のコピーを探す手間もなくなりました。さらに財務部門自らが必要な情報を検索しており、財務部門の業務の効率化も図れました」

請求書処理業務のシステム化は、DHCにおけるDX(デジタルトランスフォーメーション)のモデルケースになったと箱田氏は話す。「今回、情報共有とペーパーレス化を推進できたことは、請求書に限らず紙の書類の電子化に向けて、成功モデルとして横展開が可能です。楽々Document Plusは、GMP(医薬品の製造管理及び品質管理の基準)やISO(国際標準化機構)の文書管理を行うために当社の工場にも展開しました。また、RPAをどう活用するべきか、今回のシステムを参考にすることで具体的な活用シーンを描きやすくなったと思います。生産管理部でも既存システムのリプレースも含め、自動化を進める中で、人の手が介在する作業にWinActorを活用していきたいと考えています」

田中氏は、丸紅情報システムズのサポートを高く評価する。「丸紅情報システムズは、営業とエンジニアの間で情報が共有されており、どちらに相談しても状況を把握した上で対応もスピーディです。また、今回は3つの製品を組み合わせたシステムとなっていますが、丸紅情報システムズに窓口が一本化されており、ワンストップサポートのもとで安心して利用しています」

箱田氏は、「自動化を含め生産管理業務の効率化に関して、丸紅情報システムズにいろいろ相談しています」と話し、こう続ける。「生産管理部の視点に立ち、業務の課題解決に向けた先進的かつ的確な提案を期待しています」

お客様から愛される商品を提供し躍進するDHC。同社の信頼と競争力を担う生産管理部の取り組みを、丸紅情報システムズは総合力を駆使し支援していく。

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