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千代田化工建設株式会社様

検索エンジンライクな使いやすさ、高速検索により膨大なプロジェクトデータの有効活用を実現。エンジニア個人から大規模プロジェクトへ利用拡大

日本を代表する総合エンジニアリング企業の千代田化工建設。同社は、膨大なプロジェクトデータを有効活用するべく、丸紅情報システムズ(以下、MSYS)が提供するブレインズテクノロジーのエンタープライズ検索エンジン「Neuron Enterprise Search(以下、Neuron ES)」を導入した。3部門からスタートした利用部門は、毎年3部門ずつ増え続け、2022年は12部門を見込む。ファイルサーバの肥大化に伴う検索の効率化および、ファイル整理を目的に導入。情報収集に費やす時間の大幅な短縮と過去資料の有効活用による業務の効率化を実現し、同社におけるNeuron ESの活用は、個人同士のつながりと部門横断的活動によるボトムアップで広がっている。

  • 膨大な過去プロジェクトの情報を有効活用したい
  • 手間をかけずに検索システムを運用したい
  • スムーズな検索と情報セキュリティの両方を実現したい

01[導入の背景]
業務改善の重要なテーマとして
膨大なプロジェクトデータの有効活用に着手

「エネルギーと環境の調和」を経営理念とし、エンジニアリングで社会課題の解決に挑戦する千代田化工建設。同社は、世界60カ国以上でプロジェクト実績を有しており、売上高の37%を占めるLNG(液化天然ガス)プラントの実力は世界有数である。また成長分野として、カーボンニュートラル貢献分野、医薬・ライフサイエンスなど新規事業の強化を図っている。なかでも国内外で注目を集めているのが、同社の独自技術「SPERA®水素」だ。脱炭素・水素社会に向けた取り組みが世界中で加速する中、水素の大量輸送・貯蔵を可能にするSPERA®水素への期待は大きい。同社はSPERA®水素をコアテクノロジーに、エンジニアリングの知見とAIなどデジタル技術を融合し、カーボンニュートラルの実現、持続可能な社会の発展に貢献していく。

激変する事業環境のもと、同社は事業の付加価値向上を図るべく、革新的デジタルソリューションの展開、デジタルEPC(Engineering設計、Procurement調達、Construction建設)、業務プロセス革新の3つの軸でDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進。業務プロセス革新において、重要なテーマとなっているのがエンジニアリング事業で生じる膨大な情報の活用だ。同社では、DX推進を掲げる以前から社内データの活用に取り組んできた。

2016年に、全社横断の業務改革タスクに参加していた黒木啓一氏(当時コミッショニング部、現在業務監査部)は、過去プロジェクトデータの有効活用を図る手法を模索していた。同タスクのチームの一員だった髙村正輝氏(当時技術本部、現在建設本部 )は、MSYS主催の業務改革セミナーでブレインズテクノロジーのエンタープライズ検索エンジン「Neuron ES」と出会い、「データ活用の課題解決につながるのではないか」と黒木氏に製品を紹介。髙村氏から説明を受けた黒木氏は、Neuron ES導入に向けて稟議書を提出し試験導入の許可を得た。「審査部門はNeuron ESに関して、検索スピード、使い慣れている検索エンジンライクな操作性、重複した書類の選別などを評価しました」(黒木氏)

試験導入は、当時、黒木氏在籍のコミッショニング部、髙村氏在籍の2つの技術部門を含め3つの部門で実施された。「最前線で活躍しているリードエンジニア達から、もう手放せないという声もありました」と黒木氏は話しこう続ける。「当社がこれまで携わってきた多くのプロジェクトで作成したデータの中には、レポートや資料の作成時に再利用できるファイルがたくさん存在しています。しかし、これまでは『昔、あの会議でこういう資料があったな』といった記憶のもとで担当者に問い合わせたり、関係部署に資料の有無を尋ねたりしても、結局見つからず、ゼロから自分で作成するケースもありました。なによりも、Neuron ESにより存在すら知らなかった有用な資料を見つけ出すことができるメリットは、非常に大きいです」

試験導入は一定の成果をあげていたが、開始から2年後の2018年に同タスクが終了。Neuron ESの活用も先行きが見えない状態となった。

02[導入のプロセスと利用拡大]
エンジニア個人から大規模プロジェクトへ
ボトムアップでNeuron ESの利用拡大

2019年、髙村氏は技術本部の別な活動で一緒になった、石油・化学・新エネルギープロセス設計部の羽田潤氏にNeuron ESを紹介した。羽田氏は、Neuron ESを触ってみた感想をこう話す。「Neuron ESは、プロセス設計エンジニアである私が抱えていた長年の悩みを解決してくれました。多分野に広がるプロセス設計において、過去の社内資料になかなかたどりつけず、資料探しに多くの時間を要していました。Neuron ESによりムダな作業がなくなり、情報収集や資料作成が各段にスピードアップしました。同じ悩みを持つ当部のエンジニアにもNeuron ESを薦めるとともに、研究開発部にも、もう一度使ってみませんかと声をかけました」

黒木氏、髙村氏、そして羽田氏へとバトンが引き継がれた、Neuron ESを使ったデータ活用による業務改善は大きく開花しようとしている。2020年に羽田氏が実施した「Neuron ES活用に関するアンケート」結果によると、52%の社員が現状よりも作業効率アップ(最大50%以上)したとの回答があり、利用頻度は39%の社員が恒常的に利用、羽田氏が所属する石油・化学・新エネルギープロセス設計部では66%に及ぶ。

Neuron ESを利用する部門も拡大している。2019年は3部門、2020年は6部門、2021年は9部門と、年に3部門ずつNeuron ESの利用部門が拡大。利用拡大には2つのポイントがあったと羽田氏は振り返る。「1つめのポイントは、2020年に技術本部内で業務効率化に関する課題解決に向けた取り組みがあり、その一環としてNeuron ESを紹介したことです。2020年までは、技術本部内でエンジニアが技術の情報収集に費やす時間の大幅な短縮と過去資料の有効活用による業務の効率化を図ることが中心でした」

2つめのポイントは、Neuron ESの利用範囲が技術本部の外へと広がるきっかけとなった、国内外の大規模プロジェクトでのNeuron ESの利用開始だ。「大規模プロジェクトでは、日々刻々と更新される情報の中から必要な情報を探し出すのは大変です。Neuron ESは、拡張子、作成年月日、最終アクセス、自然言語処理など様々な検索条件で絞り込むことにより、迅速かつ的確に目的の情報へのアクセスが可能です。また、文書イメージのサムネイル表示により文書を開くことなくコンテンツの中身を確認できます。さまざまな設計図を検索する際もとても便利です」(羽田氏)

大規模プロジェクトでのNeuron ESの利用により、羽田氏のもとに「当部でもぜひ使いたい」という要望がきており、2022年は12部門での利用を見込んでいる。ボトムアップによるNeuron ESの利用拡大では、検索の容易さなどに加え、ユーザに負担がないことも重要なポイントになると羽田氏は指摘する。「ユーザは、設定もインストールも不要です。この手軽さで、これだけの検索機能を使って一人ひとりの生産性向上を図ることができるというのは、数値にはできない大きな導入効果です。私自身も情報収集やレポート作成の時間を大幅に短縮でき、そのぶんを使って考察する時間が増えたと実感しています」

03[導入の効果と今後の展望]
テレワークにおける情収共有の課題を解決
最小限の運用管理、権限設定も容易

Neuron ESは情報共有のプロセスを変革するとともに、働き方改革にも貢献すると髙村氏は話す。「従来、当社の情報共有は上司や隣の人に聞くというのが中心でした。しかし、コロナ禍に伴う在宅勤務では、気軽に部内の人に聞くことが困難な状況でした。また、男性の育児休暇など働き方も多様化する中で、人に依存した情報共有はますます難しくなります。

Neuron ESは、テレワークや在宅勤務など社外から必要な情報を見つけ出し利用することで、人が介在しない情報共有を実現します。一次情報はNeuron ES、そこで見つからなかった情報だけ関係者に聞くことで、互いの効率化が図れます」

Neuron ESにより情報共有に関してリモートから自己解決できるようになったと羽田氏も付け加える。「以前は、資料に関する問い合わせが私のところにも多くあったのですが、今は少なくなりました。社内で問い合わせが集中する人は、かなり楽になったのではないかと思います」

使い慣れた検索エンジンライクて高速検索、必要な情報を迅速かつ的確に活用
サムネイル・プレビュー機能で文書を開くことなく内容を確認できる

現在、羽田氏が通常業務と兼務でNeuron ESを運用している。「Neuron ESは最小限の管理で運用できる点もメリットです。検索対象のサーバに対してエージェントのインストールも不要です。この2年間、トラブルは一切ありません。気をつけているのは、セキュリティの観点から検索項目にあげてはいけないもの、同じサーバ内でも見てはいけないものなどに“鍵”をかけるという権限設定です。しかし、権限設定自体は非常に簡単です」

Neuron ESのシンプルな運用について髙村氏も言及する。「当社のトラブル対応用検索システムは、データを入力しなければならないなど手間がかかります。Neuron ESは、データを入力する必要がなく、ユーザが作成した資料をいつもの場所に置くだけで、Neuron ESが自動的にインデックス化します。また、夜中に自動的に情報収集するクローリングが行われるため、タイムラグもほとんどなく新しい情報を検索できます」

同社は、ブレインズテクノロジーと一体となったMSYSのサボートも評価する。「試験運用の段階からMSYSにはきめ細かく支援してもらっています」と髙村氏。羽田氏は「2022年には1,000万文書以上を扱うことになるため、ハードウェアの増強をMSYSに相談しています」と付け加える。

今後の展開について羽田氏はこう話す。「Neuron ESの浸透に向けて、2021年11月と12月、2022年2月に社内発表など社内のいくつかの場所でNeuron ESの有効性を報告しました。またコミュニケーションツールを使ってNeuron ESのグループを立ち上げて情報も提供しています。さらに今後もアンケートを実施しその結果を社内で配信することで、コーポレート部門、営業部門などにも関心を持ってもらえればと思っています。今は、私が運用管理している状況ですが、利用部門が拡大したことで、全社展開に向けて全社ITを統括するITマネジメント部に相談しています」

Neuron ESという「共通の悩みを解決する優れたツール」は、その真価を理解した3人の手によって育まれ、さらに多くの人の共感を得ることで成長を続ける。持続可能な社会の実現にエンジニアリングで貢献する千代田化工建設。MSYSは、Neuron ESによる情報共有を通じてこれからも同社の取り組みを支援していく。

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