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クラウドストレージとは?仕組み、メリット、選定ポイントを徹底解説

クラウドサービスが多様化する中で、昨今注目を集めているのが、クラウドストレージサービスです。MicrosoftやGoogleなどが提供するクラウドストレージサービスのほか、多種多様なクラウドストレージサービスがありますが、どれも同じサービスというわけではありません。
本稿では、クラウドストレージの仕組みや、どのようなタイプのクラウドストレージサービスがどんな利用シーンに向いているのか、またクラウドストレージの利用メリットなどについて解説します。
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クラウドストレージの仕組み

クラウドストレージとは、サービス事業者がネットワーク上に用意したサーバーを、自身のストレージとして活用できるクラウドサービスです。

今日、クラウドストレージサービスには多種多様なものがあります。その中で、特に企業での利用が進んでいるのが、ファイルサーバーとして利用できるタイプのクラウドストレージサービスとコンテンツ管理プラットフォームと呼ばれるタイプのクラウドストレージサービスの2種類です。クラウドファイルサーバーとしての代表製品では「Fileforce」、コンテンツ管理プラットフォームの代表製品では「Box」があります。

これらは、単にストレージとしてのスペースを提供するだけでなく、オンプレミスのファイルサーバーと遜色のない使い方ができる機能を備えていたり、コンテンツ管理に役立つ多様な機能を備えていたりするなど、付加価値の高いクラウドストレージサービスといえます。

近年、テレワークの普及が進んだことなどを背景に、オンプレミスのストレージよりも、クラウドのストレージの方がより利便性が高まっており、企業の導入も進んでいます。しかし、すでに触れたとおり、すべてのクラウドストレージサービスが、ファイルサーバーとして、あるいはコンテンツ管理プラットフォームとして有用な機能を備えているとは限らないので、しっかりとした見極めが必要となります。

クラウドファイルサーバーの特徴

ファイルサーバーの場合には、単にデータファイルを保管するだけでなく、社内での共有機能や、万が一間違って削除してしまった場合でも元に戻せる機能などが有用となります。また、アクセス権限を制限したりするアクセス管理の機能も必要でしょう。ファイルサーバーと同等の機能をクラウド上で提供できることから、このようなサービスはクラウドファイルサーバーと呼ばれます。

オンプレミスのファイルサーバーでは当たり前のように備わっているこうした機能も、クラウドストレージには備わっていない場合もあります。そのため、ファイルサーバーとしてクラウドストレージを活用したい場合には、ファイルサーバーとしての機能を備えたサービスを選ぶ必要があります。

コンテンツ管理プラットフォームの特徴

コンテンツ管理プラットフォームはクラウドファイルサーバーの一般的な機能を持ち、さらにコンテンツ管理機能を向上させたサービスとなります。

ビジネスで使用されるコンテンツは、一度作成して終わりというものではありません。最初にコンテンツファイルを作成したら、次はそれを編集し、修正を加えるなどの加工が行われます。完成したものは社内・外の関係者と共有し、そこでさらに修正・訂正が加えられたりします。

契約書を例にすると、契約書を作成し、締結に至れば、一定期間は保管されます。その後、契約が解除されるなどして保管期間が過ぎれば、削除されます。このようなコンテンツ自体のライフサイクルに応じて、ファイル作成機能や、共同編集機能、保管機能などを備えることで、クラウドストレージとしての付加価値がより高くなったのがコンテンツ管理プラットフォームです。

クラウドストレージの主なメリット・デメリット

クラウドストレージには、いくつかのメリット・デメリットがあります。以下、基本的なものを紹介します。

クラウドストレージのメリット

利用場所に制限がない

クラウドストレージであれば、社内・外問わず、ネットワーク環境さえ整っていれば、いつでもどこでも利用できることがメリットです。

ファイル共有を容易に実現

さらに共有機能があれば、社内・外の関係者がデータファイルを共有することができます。これまで、社外の関係者にファイルを共有する際には、ファイルを添付してメールを送っていました。その際に暗号化や、圧縮ファイルにするなどしていましたが、昨今では脱PPAP(PPAPとは「メールでパスワード付きのZIPファイルを送り、その後に別メールでパスワードを送る」といったファイル共有方法)が推奨されています。クラウドストレージでファイルを共有することは、このPPAPの代替方法として有効であり、これもメリットといえます。

運用・保守費用が削減できる

また、ファイルサーバーなどをオンプレミスで運用している場合には、運用・保守管理に人員をあてる必要があり、コストも発生します。万が一、サーバーに障害が発生すれば、その対応に膨大な時間と費用が発生することもあります。しかしクラウドサービスであれば、運用・保守などはサービス事業者の負担となり、その分の時間・コストを軽減できるメリットがあります。 クラウドストレージサービスの中には、他のサービスとの連携機能を備えたものもあり、さまざまな業務アプリケーションを使って、共同でコンテンツの編集ができるなど、業務利便性が向上するというメリットも享受できます。

クラウドストレージのデメリット

ランニングコストが高くなることがある

オンプレミスでストレージを保持することと比較すると、クラウドストレージの場合には、ランニングコストが割高になるというデメリットがあります。

オンプレミスのストレージは、初期費用は発生しますが、自社で運用管理する上では目に見えるコストは発生しません。しかし、クラウドストレージは月額制が一般的で、毎月一定額の利用料が発生します。

ただし、メリットでも触れたように、クラウドストレージであれば、保守メンテナンスなどの労力や万が一の場合の対応といった負担がなくなる分、利用状況によっては、必ずしも割高ではない可能性もあります。

セキュリティ面での懸念

クラウドストレージでは、クラウド上にファイルを保管するため、以前はセキュリティ面をデメリットと捉えて、クラウドストレージの利用を控える企業なども散見されましたが、昨今では多くのクラウドストレージサービスがセキュリティ面を強化しています。そのため、現在では、セキュリティ面を懸念する企業は少なくなりつつあるようです。

クラウドストレージの活用例

これまでオンプレミスでファイルサーバーを管理していた企業などが、ファイルサーバーとして利用できる機能を備えたクラウドストレージにリプレイスする事例が増えています。オンプレミスでの管理にかかる労力等を大幅に軽減できることが大きな理由となっています。近年はIT人材が不足しているといわれており、貴重なIT人材を本来業務や開発業務に注力させたいという狙いもあるようです。

社内でいくつかのサーバーに分散管理されていたコンテンツファイルすべてを、ひとつのクラウドストレージに集約することで、ファイル管理を効率化した事例も多くあります。

クラウドストレージの選定ポイント

多種多様なクラウドストレージサービスの中から自社に適したサービスを選定するポイントは、どのような使い方をしたいのか、サービスが持つ機能のどこに重点を置いているのかなどによって違ってきます。

企業によっては、これまで使用していたオンプレミスのファイルサーバーとほぼ同一の使い方ができるクラウドストレージサービスを選ぶということを条件にするケースもあります。各企業がもつニーズに即して、比較検討することが基本です。

ただし、汎用的な選定ポイントもいくつかありますので、以下に取り上げます。

データ容量

データ容量については、たとえばBoxのように容量無制限というサービスであれば、考慮する必要はありません。

一方で使用する容量によって利用料が変わるクラウドストレージもあり、使いたい容量とコストのバランスを考慮して、最適な容量を契約することが大切です。たとえば、Fileforceの場合は、いくつかの料金プランがあり、基本ストレージ容量がプランによって異なります。したがって、容量に上限があってもコストを抑えたいという場合には、こうしたサービスが有効です。

コストとライセンス体系

使用できるライセンスの体系についても、サービスによって異なります。たとえば、Boxは容量が無制限ですが、ユーザー数によって料金が変わります。

一方で、Fileforceの場合には、容量には制限がつきますが、その範囲内であればユーザー数は無制限です。

データ容量と同様に、最低限必要なユーザー数を前提にコストバランスを考慮して、自社に最適なサービスを選定することが肝要です。

操作性

どんなに機能が充実していても、操作性が悪ければむしろ業務効率を下げてしまいます。多くのサービスはエクスプローラーなどから操作できるので、操作性についてはあまり問題になることはありません。

ただし、これまで使用していたファイルサーバーと比較して、操作性が大きく異なるサービスを選んでしまうと、使い方の習得に時間がかかったり、操作ミスで思わぬ混乱が発生するリスクもあるので要注意です。

セキュリティ

クラウドストレージを利用する上で、セキュリティ面はとても重要です。ただし、前項でも触れたように、各サービス事業者とも定期的にサービスのアップデートを行い、セキュリティ面を強化しています。

たとえば、BoxやFileforceなどはランサムウェア対策が強化されているなど、状況によっては、オンプレミスのファイルサーバーよりもセキュリティ面が強化されるということも期待できます。

サポート体制

オンプレミスのファイルサーバーから、クラウドストレージにリプレイスするというような場合、データ移管作業は必須です。こうした部分をきちんとサポートしているかどうかも、クラウドストレージを選ぶ際のポイントとなります。

たとえばFileforceの場合、独自に開発されたデータ移管のためのツールが用意されており、スムーズなデータ移管をサポートしています。もちろん、メーカーサポート体制も充実しており、迅速に対応してくれます。

まとめ

丸紅情報システムズでは、クラウドのコンテンツ管理プラットフォームであるBoxや法人向け国産ファイル管理クラウドであるFileforceを中心に様々なクラウドストレージを扱っております。

Boxは、コンテンツ管理プラットフォームの市場で、約7割のシェアをもっており、業種や規模を問わず、多くの企業が導入しているという実績と併せ、官公庁での利用も広がっています。近々、ChatGPTを開発したオープンAIとの連携で、Box AIという新機能の搭載が予定されています。これが実装されれば、Box内にあるすべてのコンテンツについて全文検索が可能になるなど、さらなる機能強化に期待が高まっています。

一方、Fileforceの強みのひとつは、クラウド型のファイルサーバーサービスとしては、日本で唯一ともいえる国産サービスであるという点が挙げられます。ほとんどのクラウドストレージサービスは海外の企業によって開発されたもので、ストレージ自体が海外に置かれているケースも少なくありません。それ自体は問題ないのですが、中には、ファイルの保管先は日本国内が望ましいと考える企業もあり、そこにこだわりがある企業はFileforceを利用することが多くなります。

それぞれのサービスに優れた特徴があり、クラウドストレージをどのように活用するのかによって、どちらが適しているかが違ってきます。

丸紅情報システムズは、特徴の異なる様々なクラウドストレージサービスをご用意しているからこそ、企業ニーズにマッチしたクラウドストレージの提案が可能になります。

どのようなクラウドストレージが適しているのか判断に迷ったら、ぜひ丸紅情報システムズにご相談ください。

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