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株式会社システナ様

自社のノーコードツールの評価テストを自動化するだけでなく、画期的なソリューションサービス開発を具現化

日本にまだITもインターネットもなかった1968年、その情報産業の黎明期から情報処理関連サービスでスタートアップし、時代の潮流を先取りしながら事業を拡大してきた株式会社システナ(以下、システナ)。

今日では、自動運転・車載システムやWebビジネス向けシステム、IoT関連システム、モバイル機器に関連するソフトウェアの開発・品質検証など、IT・DXのトータル・ソリューション・サービスを展開している。

そのシステナが、これまで自動化は不可能だと考えていたノーコードツールの評価テストを、テスト自動化ツールEggplant DAIの導入によって実現した。さらに、Eggplant DAIのもつ大きな可能性に着目し、自社内でのテスト自動化のみならず、画期的な自動化のソリューションサービスの開発を進めている。 システナにおけるEggplant DAIの活用シーンや、Eggplant DAIをベースにした新しいソリューションサービス開発の取り組みについて、システナのDXデザイン本部 デジタルプラットフォーム技術部 課長 宇野挙弘氏に話を聞いた。

  • ノーコードツールの評価テストを効率化(自動化)したい
  • システム開発におけるテストの煩雑さという課題をもつ、多くの顧客企業をサポートしたい

■導入の背景など

1.IT、DXを多面的に支援するソリューション・カンパニー

システナは、1968年に設立された株式会社カテナビジネスサービスを前身とし、日本にITが普及する以前から、情報処理に関連するサービスを事業の中核とし、さまざまな事業に取り組み、領域を拡大し続けてきている。

現在の「株式会社システナ」に社名を変更したのは2010年のこと。主な事業は、自動運転・車載システム、社会インフラシステム、Webビジネス向けシステム、IoT関連システムおよびロボット/AI、モバイル機器に関連するソフトウェアの開発・品質検証、金融機関向けシステム開発、システムの運用・ヘルプデスク、IT商品の販売およびシステムインテグレーション、クラウドサービスの提供やゲームコンテンツの開発など、多岐にわたっている。 「大きくいえば、システムの企画・設計・開発・導入から保守・ユーザサポートまでのトータル・ソリューション・サービスの提供が事業の柱です。最近では、特に自動車などの車載システム分野が大きく成長しています」と宇野氏はいう。

2.これまでになかったノーコードツールの評価テストを自動化するツール

テスト自動化ツールである「Eggplant DAI」を導入された背景について、宇野氏は、次のように話してくれた。

「私はシステナのDXデザイン本部に所属し、SaaS型のノーコードツールの開発に携わっています。こうしたシステム開発において、評価テストを実施する際には、どうしても手作業で行う必要があるというのが、これまでの前提でした。ノーコードツールでは、ドラッグ&ドロップといった操作をしたり、人の目で見ながら必要な部品を探したりといった動作が作業手順に入ってきてしまいます。そのため、従来のコードベースのテスト自動化ツールの採用は難しく、手動テストに頼らざるを得なかったのです」と、ノーコードツールの開発における評価テストの負荷について、懸念があったことを吐露してくれた。そして、その解決に一役買ったのが、丸紅情報システムズ株式会社(以下、MSYS)が提供するテスト自動化ツール「Eggplant DAI」である。
「以前からお付き合いのあったMSYSの担当者から、Eggplant DAIをご紹介いただきました。世界初のAI技術による探索的テスト自動化ツールということに惹かれました。詳細に説明を伺っている中で、無理だと思っていたノーコードツールの評価テストを自動化し、自社製品の評価コストを大幅に削減できるのではないかと思ったのです」と、はじめてEggplant DAIの可能性に気づいた時の感動をよみがえらせた。

「Eggplant DAIを検証する中でわかったのですが、このツールは人間が行う操作をコード化できるのです。ドラッグ&ドロップもそうですし、何か特定の項目を見つけることや、現在のページから別のページへ遷移することができます」と語る宇野氏は、Eggplant DAIを検証する中で、これは使える!と確信したという。しかし、だからといって直感だけで導入が決まったわけではない。

「契約に先立って、無料の試用期間を活用して、いろいろと試しました。当社が開発し、リリースしているCanbus.(キャンバス)というノーコードプラットフォームの製品を使って実際に評価テストをやってみました。実際に取り組んでみると、思った以上に簡単に自動化でき、Canbus.のリリース前試験において、テスト自動化が実施できている範囲でのコスト削減の効果は70%程度にもなったのです」と宇野氏。

Eggplant DAIを使用して最初に自動化できたのは、手動でGUI操作したものを、テストコード化することだという。
「それだけでもすごいと思ったのですが、さらにコードについても、センストークというスクリプトコードを書くことで、従来のツールではできなかったことをコードとして書くことができ、それに基づいてEggplant DAIが実際にテスト実行してくれるというのは、本当に画期的だと思いました」と続ける。

こうして、Eggplant DAIは使えば使うほど、極めて実用性の高い、優れたテスト自動化ツールだということを実感できたのだという。

■導入にあたって

3.導入時の不明点も、MSYSのサポートで迅速に解消

試用期間を経て、Eggplant DAIを本格導入する段階で、ちょっとしたトラブルに見舞われた。

「実は、Eggplant DAI導入当初に、ライセンス関連でエラーが発生する事象があり、原因不明で対応に苦慮したことがありました。Eggplant DAI導入時には、まずライセンスサーバーを構築して、ライセンス情報を登録し、Eggplant DAIを使う際には、ローカルPCからライセンスサーバーにアクセスした上でライセンスを取得する必要があります。そこがうまく動作せず、MSYSに問い合わせました。ライセンスサーバーの設定とローカルPC側のライセンスに関わる設定について、適切なサポートにより、すぐに解決できました。MSYSは、導入後のサポートも迅速、適切で、助かりました」と、MSYSの対応を評価する。その後の活用シーンでは、特に問い合わせすることもなく、円滑に活用できているとのことだ。

■導入の効果と、Eggplant DAIへの評価

4.従来16時間かかっていたテストを5時間に大幅短縮

実際の導入効果についても、大きな成果が上がっていると宇野氏は説明してくれた。

「ソフトウェアのリリース毎に実施する、リリース前テストは全項目を実施すると、従来は最低で16時間、内容によっては2日間もかかっていました。それがEggplant DAIを導入したことで、5時間程度でできるようになりました。当初と比較して、3分の1くらいに圧縮できているので、かなり効果があったと評価しています。一方で、Eggplant DAIの導入によって、90%以上の作業時間削減に成功した企業もあるそうで、まだ改善できる余地があると思います」

現在は、ノーコードツールのテストだけで活用している状況だが、非常にもったいないと感じているという。

「Eggplant DAIは、テスト自動化ツールですが、実はテストだけではなく、もっと広範な活用が可能なツールだと考えています。人がPC上で操作することは、概ねEggplant DAIで実現できます。つまり、通常の業務のオペレーションですら自動化できるのです。」とEggplant DAIの可能性について言及する。

■Eggplant DAIの可能性

5.さらなる発展形としての「評価テストの自動化ソリューション」への応用

宇野氏は、Eggplant DAIを社内のテスト自動化ツールとして活用するだけでなく、新たなソリューションサービスにつなげるような開発にも具体的に取り組んでいるという。

「Eggplant DAIの導入当初は、自社のノーコードツールの評価テストをより効率化するための自動化の推進という目的でした。しかし、その導入の過程で、当社の顧客に対して、評価テストの自動化ソリューションのサービス化を考えるようになりました。当社は顧客企業様の各種のシステム開発のご支援や、DXのサポートなどを行っていますが、そうした多様な業務の一環として評価のお手伝いをすることも多々あります。開発工程で、評価は必ず発生するものです。Eggplant DAIを活用して、その評価を簡単に自動化できるソリューションが実現できれば、活用の幅は広がると思ったのです。社内開発の評価の自動化はもちろんですが、顧客企業においても評価を簡単に自動化できるツールとして提供できれば、喜ばれるでしょう。」と語る目は、未来を見据えていた。

「実際にテスト版を開発し、顧客企業などに紹介すると非常に高い評価を受けましたので、本格的な研究開発に着手しています。テストの工程で一番困るのが、仕様通りに動いているか確認するためのテストを作ることと、その実行です。通常はコストをかけて、人手でテストを作り、人手で実行しています。Eggplant DAIを導入することで、人手でテストを実施する部分は自動化できるわけですが、その手前の、テストを作るという部分も、Eggplant DAIで自動化する研究を進めています」と宇野氏。

6.UI/UXのデザインツールFigmaとEggplant DAIの連結によるテスト自動化ソリューションを研究・開発

宇野氏は、Webやスマートフォンアプリの開発現場でよく利用されている、UI/UXのデザインツールのFigmaに注目して、Eggplant DAIとの連結によるテスト自動化ソリューションの開発に着手し、すでに成果を上げている。

「Figmaは、自動車業界でも使われ始めていて、シェアの高いツールです。そのFigmaをスクリプトにかけて、Eggplant DAIのテスト環境を作ってしまおうという試みを始めました。それがある程度、実用化に近いレベルまで開発が進んでいます。実際にFigmaを使っている取引先に紹介したり、MSYSと共同で関連の展示会で公開していますが、非常に多くの方々からご評価いただいています」と大きな手応えを感じているという。

「Figmaから、テストモデルとテストを実行するためのプロジェクトファイルを作ってダウンロードします。それを今度はEggplant DAIにインポートするだけで、Figmaで作ったものと同じ構成で遷移図がEggplant DAIに再現されます。あとはデバイスを接続して、テストを実行するだけです。Eggplant DAIと当社が開発したツールを使わずにこの作業をすると、5時間ほどかかりますが、それを3分ほどに短縮することが可能です」と、その効率化の程度は驚異的だ。 「Figmaで設計したもので、テスト段階では、Eggplant DAI上でもう一回同じものを作る必要があり、二重の手間と時間がかかっていたのが、当社が開発したツールを使うことで、Figmaで設計したものをそのままEggplant DAIに取り込めるようになり、作業の手間と時間を大幅に削減できたのです。Figmaを活用して、Webやスマートフォンアプリの開発に取り組んでいるのなら、ぜひこのツールをご利用いただきたいですね。テストに関しては、相当の効率化が実現できると思います」と宇野氏は、新しいソリューションに自信を覗かせた。

7.Eggplant DAIのさらなる活用可能性

Figmaで開発されるスマートフォンアプリやWebなどについて、テストを自動化するソリューションについては、展示会でのデモを見た来場者から、多くの称賛を浴びたという。

しかし、Eggplant DAIの可能性はそれだけにとどまらない。

「たとえば、生成AIとEggplant DAIをつなぎ込むことで、新しいソリューションサービスが開発できる可能性もあると考えています。」と宇野氏は構想を明かしてくれた。

Eggplant DAIの優れた機能性と、システナの開発力が融合すれば、さらに画期的なソリューションが生み出される可能性は高い。

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